Opus
2024.04.30
新宿の109 CINEMAS PREMIUMに
坂本龍一氏、教授からの最期のギフト。
【Ryuichi Sakamoto I opus】を観に行きました。
初めて来た109 CINEMAS PREMIUM。
教授が生前監修された素晴らしい空間と音響の映画館でした。
まさに教授の聖地とも言える場所。
開演前の時間もゆっくり過ごせ、微かに聞こえる環境音のような教授の音楽。
時折響く和音が教授そのもの🎵
しかし、あれほどの緊張感で映画を観たのは初めてでした。
本当はリラックスして開演前を過ごせるはずですが、そこからどことなく緊張してしまって。。。
いよいよ上映。
シアターには、満席とはならずとも満遍なく座っていたお客様が本当に無音でいる。。
普通のクラシックコンサートでも無いような静寂。咳払い一つない。
椅子の背もたれに擦れる髪の毛の音が聞こえるほど。
ものすごい研ぎ澄まされた空間だった。
ここに居る誰もが教授の一音一音を耳に収めようとしているかのよう。
モノクロの映像の中での教授の演奏は、まさに命を懸けた時間だったのだろうと思うと涙より緊張が走りつづけました。
2022年。配信でこの演奏を聴いた時、部屋を真っ暗にしてパソコンの画面をガン見して、ピアノからあんな音が鳴るのかと驚き、まさに【命を懸けた魂の演奏】に衝撃を受けました。
ただその時はまだ教授が生きている時。
その感想もお伝えできた。
この映画を観ている今。
もう教授はこの世にいない。
もうお会いする事も出来ない。
そう思うと、一つ一つ研ぎ澄まされた音はまた別な想いが込み上げてくる感じでした。
この鍵盤を押した瞬間、教授は何を感じていたのか。
ピアノを弾き始める直前、教授は何を思ったのか。
消えゆく音に何を思っていたのか。
思い描く音を紡ぎ出すための孤独な戦いのよう。
収録の日々、体調の良い日悪い日もあったであろう……その表情もモノクロの中に見えてきました。
坂本龍一という1人の人間のドラマのような時間。
最期に我々に伝えようとした遺言のような演奏だったのか。。
極限の美しさ。
素晴らしい映画でした。
映画が終わったあと、
シアター内のお客様から自然にあたたかい拍手が。
僕も拍手をしました。
そう、銀座YAMAHAでのピアノ展での自動演奏でも、TBSドキュメンタリー映画「War & Peace 教授が遺した言葉たち」でも、そうでした。
教授ありがとうございました。
5月10日から全国公開されます。
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